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暑熱順化トレーニング

 先日、沖縄、奄美地方の梅雨入りが発表されましたね、これから南九州地方から梅雨入りが始まり、7月からはジメジメした梅雨の後、本格的な暑さが訪れます。

 

さて皆さんは、炎天下の屋外や熱のこもった環境のレースやワークアウトで、身体が思ったように動かず、力が発揮できなかった経験はありませんか?特に身体の深部温度の上昇は持久性運動のパフォーマンスを低下させることが知られています。

 

 私たちの身体には、暑さにさらされたとき、体温が上昇しすぎるのを防ぐために、熱を体外へ逃がそうとする2つの機能が備わっています。

 

その一つが“皮膚血流反応”と呼ばれ、皮膚の血管を拡張させ、血流を増やします。多量の体熱が体内から血液によって皮膚に移行し、皮膚の表面から熱が体外へ放出されます。もう一つは“発汗反応”で、皮膚血流反応だけでは熱を逃がすことができなくなると、発汗が始まります。汗が蒸発するときの気化熱により熱放散を行います。私たちの身体は、この2つの反応を駆使して熱を放散しています。これらの熱放散機能はトレーニングによって、その機能を向上させることができます。普段から身体を暑さに慣らすことで、上手に体温を放散することができるようになるのです。

 

このように暑さに対応できる身体になることを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます。例えば、同じペースで走っていても、冬と夏とでは環境負荷がまったく異なります。「暑熱順化」とは、寒い冬の期間は発汗が少ない身体だったのが、暑さにさらされることで、汗をかける身体に変化し、体温調節できるようになることです。

  またその機能を向上させるトレーニングを「暑熱順化トレーニング」と呼びます。この「暑熱順化トレーニング」で、暑さに対する身体のセンサー感度を高めておくことで、発汗ポイントを早め、暑さの中でも効果的に体温調節できるようになります。

トライアスロンのような、夏場のレースに出場する人はもちろん、夏場にコンスタントにトレーニングをこなしていく人やコンディショニングを整えていくためにも、重要な位置付けと考えられます。

 

「暑熱順化トレーニング」のポイント(下記を参照)は、やや厚めにウエアを着込み、ある程度の時間、「運動で汗をかき続ける」ことを週3回、2〜3週間程度行うことで順化は完成します。ただし、効果が消えるのも早く、2週間程度なにもせずにいると元に戻ってしまいます。特に暑さが本格化する前(5〜6月)に冷房を多用すると、順化が遅れたり、感度が戻ったりしてしまうので注意が必要です。

 

●ウエアを厚く着込む 

●最初は少し運動量を落とす 

●徐々に強度を上げる 

●水分と塩分をしっかりと摂る 

●冷房に当たりすぎない 

 

 また最近は、深部温度を可視化することで、ストレス(疲労)、熱順化の状態がどうなのか、最適なペース配分や休息が実現できているかなど、多くのスポーツで役立つ情報を得ることができる機器もリリースされており、私共 Endurance Worksでは、こちらの機器の代理店でありますhttps://corebodytemp.jp 様にご協力をいただき、より良いトレーニングを利用者の方々に提供できる試みを行なっております。