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ランニングパフォーマンスと低体温症状①

夏場の暑熱環境の運動と比較すると、気温が低い冬は熱中症が起こりにくい代わりに、低体温症、脱水、ハンガーノック(長時間の激しい運動の最中に、極度の低血糖状態に陥ること)が起こりやすく、特に小雨まじりや風があって寒い日は、低体温症などを起こしやすくなります。低体温症とは通常は37℃前後ある深部体温(体の中心部の温度)が35℃以下に下がった状態。臓器の機能や、意識レベルが低下し、もちろんランニングのパフォーマンスも著しく低下します。深部体温30℃以下になると不整脈が生じ、筋肉は硬直して、呼吸機能が低下し、それ以下では生死に関わることもあります。夏の高温多湿の気候に比べて危険が少ないのは事実ですが、寒さによる身体への影響があることも知っておく必要があります。低体温症状を起こしやすい条件は、気温が低く、風が強く、雨や雪が降っていることが多く、身体や衣類が湿った状態で風にさらされると気化熱により急激に体温が低下することがある。風がそれほど強くない日でも、走ることによって身体は風を受けることになるので、体温が奪われていきます(風は体温を奪います。風速1m/秒で体感温度は1℃下がる)。