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「速くなりたければ神経系を鍛えよ」②

最近のランニングスキルの向上を目指したドリルでは、横の動きを重視するものが盛んに行われています。ランニングは片脚支持の連続ですが、その時骨盤は常に水平に保たれています。それは小殿筋・中殿筋・大腿筋膜張筋が強く働くからです。日本人の骨盤は扁平型をしており、欧米人に比べて、骨盤腔の前後傾は日本人が平均10cm、欧米人が12cmと約2cmの差があります。よって、これらに付く筋肉も貧弱になり、特に起立筋として大事な大臀筋・中臀筋に最も顕著な差があります。日本人はこれらを補う為に大腿の外側広筋が発達し、膝から下が内反脛骨といった形態をとり安定を保とうとします。また走行時は遊脚期において大腿は外転肢位をとり、ヒールストライク時、踵部外側より着地に入り、ミッドサポート時に強く下腿の内旋と足部のオーバープロネーション(過回内)位をとらざるを得なく、足部はオーバーアブダクション(過外転位)肢位となります。このような走行は骨盤の回旋、大腿の外・内転、下腿の内・外旋、足部の回内・外転が繰り返され、足の障害が多くなる事になります。それを改善する中殿筋・小殿筋の強化に、横の動きのドリルは適していると考えられます。